PDFのパスワードを解除して保存できないとき。開くためのパスワードと権限パスワードの違い
パスワード付きのPDFを、パスワード無しで保存し直そうとしてもうまくいかないことがあります。パスワードを知っていれば、ブラウザだけで外して保存し直せます。PDFのパスワードには「開くためのパスワード」と「権限パスワード」の2種類があることと、解除できない主な理由、Adobe AcrobatとMacのプレビューでの手順もまとめました。
毎回パスワードを入れるのが面倒なので、パスワードの無いPDFとして保存し直したい。ところが、開いた状態で「名前を付けて保存」をしても、保存したファイルを開くとまたパスワードを聞かれます。パスワードの設定を変える画面が見つからない、見つかっても灰色で押せない、ということもあります。
パスワードが分かっているなら、当サイトのPDFのパスワード解除で外せます。Acrobatのような有料のソフトは要らず、ブラウザでPDFを選んでパスワードを入れるだけです。PDFと入力したパスワードは、どちらもサーバーに送られません。
この記事は、自分で作ったPDFや、パスワードを外してよいと作成者から了解を得ているPDFを前提にしています。
パスワードを知っていれば、ブラウザだけで外せる
PDFのパスワード解除を開き、次の順に操作してください。
- パスワード付きのPDFを枠にドラッグ&ドロップする(iPhoneやAndroidでは「ファイルを選択」を押して選ぶ)
- パスワードを入力する
- 「パスワードを外して保存」を押す
ダウンロードされるPDFは、ファイル名の末尾に「-unlocked」が付き、次からはパスワードを聞かれずに開けます。ページの中身は描き直さないので、文字の選択や検索もそのまま使えます。
印刷やコピーが制限されたPDFは、開くためのパスワードを入れても外れません。このツールは、権限パスワードを入れたときだけ制限ごと外します。2種類のパスワードの違いは、次の節で説明します。
ファイルはサーバーに送られません
- 処理は、お使いのブラウザの中だけで行います。PDFと入力したパスワードを、インターネット上のサーバーへ送ることはありません。
- 会員登録やメールアドレスの入力はありません。
- パスワードを外したPDFは、お使いの端末に直接ダウンロードされます。
PDFのパスワードは2種類ある
Adobeは、PDFにかけられるパスワードを次の2種類に分けて説明しています。
- 開くためのパスワード(ユーザーパスワードとも呼ばれます)は、PDFを開くときに入力を求められるパスワードです。知らない人は中身を見られません。
- 権限パスワードは、PDFの印刷、編集、内容のコピーを制限するパスワードです。PDFは開けても、印刷やコピーはできない、といった制限をかけられます。Macのプレビューでの呼び名は「所有者のパスワード」です。
1つのPDFに両方を設定でき、2つを別々のパスワードにもできます。開くときに入れたパスワードが、権限パスワードと同じとは限りません。
パスワードを外して保存できない主な理由
無料のAcrobat ReaderやAdobeのスマホ用アプリで操作している
Adobeの公式ヘルプは、パスワード保護の設定と解除は有償版のAcrobatでだけ使える機能で、無料のAcrobat Readerでは使えないと説明しています。英語版の説明では、Acrobat Readerやモバイル版はパスワード付きのファイルを開けるだけで、パスワードを外すにはAcrobatの契約か無料体験版が要るとしています。
Readerで開いて「名前を付けて保存」をしても、パスワードの設定はそのまま残ります。Readerでは、パスワードの設定を変える画面も使えません。
権限パスワードが分からない
Adobeの説明では、セキュリティを外すときの操作は、かかっているパスワードの種類によって変わります。開くためのパスワードだけのPDFは、開いた状態で「OK」を押せば外せます。権限パスワードがあるPDFでは、外すときに権限パスワードの入力を求められます。
開くためのパスワードは知っていても、権限パスワードは知らないという状態はよくあります。この場合、開くことはできても、セキュリティを外す操作は先に進めません。Adobeは、パスワードが分からないときはPDFの作成者に相談するよう案内しています。
サーバーで管理されたセキュリティやDRMがかかっている
サーバーで管理するセキュリティポリシーがかかったPDFについて、Adobeは、変更できるのはポリシーを作った人かサーバーの管理者だけだと説明しています。電子署名やDRM(著作権を保護するための仕組み)がかかったファイルも、Acrobatの機能では解除できないとしています。会社や取引先から届いたPDFでパスワードを外せないなら、この種類の保護かもしれません。
設定を外したあと保存していない
Acrobatでセキュリティを外しても、その時点ではまだファイルに書き込まれていません。Adobeの手順では、最後に上書き保存をして変更を残します。保存せずに閉じると、次に開いたときもパスワードを聞かれます。
ほかの方法
パスワードを外す機能のあるソフト(有料版のAdobe Acrobat、Macのプレビューなど)でPDFを開き、セキュリティの設定を外してから保存し直す方法もあります。Adobeによると、無料のAcrobat ReaderやAdobeのスマホ用アプリは、パスワードを入れて開くことはできますが、パスワードを外すことはできません。
Adobe Acrobat(有料版)で外す
Adobeの公式ヘルプの手順は次のとおりです。
- Acrobatを起動して、パスワード付きのPDFを開く。パスワードを聞かれたら入力して「OK」を押す
- 画面左上の「すべてのツール」から「PDF を保護」を開き、「セキュリティのプロパティを設定」を開く
- 「文書のプロパティ」の「セキュリティ」タブで、「セキュリティ方法」を「セキュリティなし」にする。確認のメッセージが出たら「OK」を押す。権限パスワードを聞かれたら入力する
- 「OK」でダイアログを閉じ、PDFを上書き保存する
英語版のヘルプには、どちらか一方のパスワードだけを外す方法も載っています。「Change Settings」の画面で、開くためのパスワードを外すなら「Require a password to open the document」の選択を外します。権限パスワードを外すなら「Restrict editing and printing of the document」の選択を外します。
Acrobatの画面は更新で変わることがあります。上の手順の画面名は、2026年3月26日更新の日本語版ヘルプのものです。
Macのプレビューで操作する
Macに標準で入っている「プレビュー」でも、PDFのパスワードを設定できます。Appleのユーザーガイドでは、PDFに所有者のパスワードを設定したあとは、「ファイル」>「アクセス権を編集」で、パスワード保護のオプションの変更や新しいパスワードの設定ができると説明しています。この画面には「書類を開くときにパスワードを要求」の項目があり、変更は「適用」で保存する仕組みです。
ただし、このユーザーガイドに書かれているのはパスワードを設定する手順と変更する手順で、パスワードを外す手順は書かれていませんでした。手元のPDFで操作したら、いったんプレビューを閉じて開き直し、パスワードを聞かれないことを確かめてください。元のファイルは消さずに残しておくと安心です。
Chromeの「PDF に保存」を使う方法について
ブラウザで開いたPDFを印刷の画面から「PDF に保存」し直す方法も、よく紹介されています。Chromeのヘルプには、印刷の画面で送信先を選べることや「PDF に保存」の操作が書かれています。
一方で、パスワード付きのPDFをこの方法で保存したときにパスワードが残るかどうかは、Googleのヘルプには書かれていませんでした。権限パスワードで印刷が制限されたPDFでは、印刷の操作そのものが制限の対象になります。この方法を使う場合も、保存したファイルを開き直して確かめてください。
パスワードが分からないとき
Adobeの説明では、パスワードを外せるのは今のパスワードを知っている場合だけです。パスワードを忘れたときや権限がないときに外すと、プライバシーや著作権の方針に反するおそれがあるとしています。他の人から届いたPDFなら、外す前に作成者へ確認し、パスワードの無い版を送ってもらえないか頼むのが確実です。
パスワードを外したPDFは、誰でも開ける状態になります。個人情報や取引の内容が入ったPDFは、外したファイルをメールで送ったり共有フォルダに置いたりする前に、外してよいものかをもう一度確かめてください。
- Adobe ヘルプセンター「PDF ファイルのパスワード保護を解除する方法(Acrobat)」
- Adobe Help Center「Remove passwords from PDFs in Acrobat」
- Adobe「How to remove a PDF password in 3 easy steps」
- Adobe「How to remove password from PDF: Unlock a PDF」
- Adobe「【無料】PDFにパスワードをかける方法(Windows・Mac対応)」
- Apple サポート「Macの『プレビュー』でPDFをパスワードで保護する」
- Google Chrome ヘルプ「Chrome から印刷」