PDFの文字が検索できない理由。スキャンしたPDFを無料で検索できるようにする方法
スキャンしたPDFで文字を検索しても見つからないのは、ページが紙を写した画像で、検索に使う文字のデータを持っていないためです。テキスト認識(OCR)で画像から文字を取り出すと、検索できるようになります。Googleドライブ、Word、OneNote、Adobe Acrobatの公式の説明に沿って、方法と注意点をまとめました。
紙の書類をスキャンして作ったPDFで、Ctrl+Fなどで言葉を探しても1件も見つからないことがあります。画面には文字がはっきり見えているのに、検索には引っかかりません。
先に答えを書くと、原因は、スキャンしたPDFのページが紙を写した画像で、検索に使う文字のデータを持っていないことです。検索できるようにするには、テキスト認識(OCR)という処理で、画像の中の文字を文字のデータに変えます。Googleアカウントがあれば、Googleドライブでこの変換ができます。Wordをお使いなら、PDFをWordで開いて、文字を読み込ませる方法もあります。
文字が見つからないのは、ページが画像だから
スキャナーやカメラで作ったPDFでは、文字は紙の見た目として写っているだけです。Adobeの説明では、スキャンした画像にAcrobatで「テキスト認識」を実行すると、テキストの検索と編集ができるPDFになります。検索できないPDFは、この処理をしていない状態だと考えてください。
ページを画像に変えて作ったPDFも、同じ状態になります。当サイトのPDF圧縮で「最大」を選ぶと各ページが画像になり、文字のコピーや検索ができなくなります。違いはPDFをアップロードせずに圧縮する方法で説明しています。
Microsoftの説明では、EdgeのPDFリーダーには「検索」の機能があります。ただし、Edgeで画像のページを検索できるようにする機能は、公式の説明では確かめられませんでした。Edgeで見つからない場合も、下の方法で文字を取り出してください。
Googleドライブで画像の文字をテキストにする
Googleのヘルプでは、Googleドライブで画像ファイルをテキストに変換できると説明されています。変換できるのは、PDFと写真のファイル(.jpeg、.png、.gif)です。パソコンでは、次の手順で変換します。
- パソコンでGoogleドライブにアクセスし、PDFをアップロードする
- アップロードしたファイルを右クリックする
- 「アプリで開く」>「Googleドキュメント」をクリックする
- 開いたGoogleドキュメントで、読み取られた文字を確かめる
太字や斜体、フォントサイズ、改行は、通常はそのまま残ります。一方で、リストや表、列、脚注は検出されない可能性があります。文書の言語はGoogleドライブが検出し、対応する言語の一覧には日本語も入っています。
Googleは、うまく読み取るための条件として次を挙げています。
- ファイルを2MB以下にする
- 文字の高さを10ピクセル以上にする
- ページを正しい向きにしてからアップロードする
- 明るさが均一で、コントラストがはっきりした画像を使う
各Googleアカウントには、Gmailやドライブなどで共有する最大15GBの保存容量があります。容量を増やしたいときは、Google Oneのメンバーシップを購入します。この方法では、PDFをGoogleのサーバーにアップロードします。社外に出せない書類の場合は、勤務先の決まりを確かめてから使ってください。
2MBを超えるPDFは、ページを分けると条件に近づけられます。当サイトのPDF結合・分割は、ブラウザの中でページを別のPDFに分けられます。ただし、文字を読み取る機能は無いので、このツールだけでは検索できるようになりません。
WordでPDFを開いて文字を読み込ませる
Microsoftの説明では、スキャンした文書をPDFにして、そのPDFをWordで開く方法があります。この説明は、Word for Microsoft 365などのWindowsのデスクトップ版が対象です。
- Wordで「ファイル」>「開く」をクリックする
- スキャンしたPDFを選んで開く
- テキストのインポートを確かめる画面で「OK」をクリックする
- 読み込まれた文字を校正して、誤りを直す
Wordは、PDFでの書式をできるだけ保って文字を読み込みます。読み込んだ文書は、「名前を付けて保存」でWord文書かPDFとして保存できます。
注意点もあります。認識の正確さは、スキャンの品質と、文字がどれだけはっきり写っているかで変わります。手書きの文字はほとんど認識されず、印刷された文字がいちばん向いています。変換した文書は、改行や改ページの位置が元のPDFと違う場合があります。
OneNoteで画像から文字をコピーする
OneNoteにも、画像やファイルの印刷イメージから文字をコピーする機能があります。Microsoftの説明の対象は、OneNote for Microsoft 365やOneNote 2024などのデスクトップ版です。
PDFは、OneNoteの「挿入」タブの「ファイルの印刷イメージ」でノートに入れます。入れた画像を右クリックし、「画像からテキストをコピー」をクリックしてください。複数ページの印刷イメージなら、「印刷イメージの全ページからテキストをコピー」でまとめてコピーできます。コピーした文字は、WordやOutlookなどに貼り付けられます。
読み取りの処理中は、メニューにこの項目が表示されない場合もあります。Microsoftは、一部の結果は使えるようになるまで24時間から48時間かかる場合があると説明しています。貼り付けたあとは、文字が正しく読み取られたかを確かめてください。
Adobe Acrobatのテキスト認識
Adobe Acrobatには、スキャンした文書を検索と編集ができるPDFにする「スキャンとOCR」の機能があります。デスクトップ版では、次の順に操作します。
- スキャンしたPDFを開く
- 「すべてのツール」を選び、左側のパネルで「スキャンとOCR」を選ぶ
- 「このファイル内」を選び、「テキスト認識」を選ぶ
無料のAcrobat Readerについて、AdobeのFAQは、PDFを開いて表示、署名、印刷、注釈の追加、検索、共有をするためのアプリと説明しています。テキスト認識はこの中に入っていません。Adobeは「スキャンとOCR」を、有償版のAcrobat Proの機能として案内しています。
お金をかけずにAdobeで処理したい場合は、ブラウザで使うAcrobatオンラインツールの「PDFをOCR処理」があります。Adobeの説明では、次の順に操作します。
- 「PDFをOCR処理」のページで、PDFを選ぶかドラッグ&ドロップする
- PDFの言語を選び、「テキストを認識」をクリックする
- Adobeのアカウントを無料で作ってログインする
- 「ダウンロード」をクリックして、テキスト認識を済ませたPDFを保存する
この方法でも、PDFはAdobeのサーバーにアップロードされます。Adobeによると、ログインした場合は、アップロードしたファイルがAdobeのクラウドストレージに自動で保存されます。保存されたファイルはいつでも削除できます。
スキャンし直せる場合
紙の原本が手元にあるなら、スキャンするときに文字を読み取る方法もあります。Microsoftは、スキャナーにOCRを実行できるアプリケーションが付属している可能性があると説明しています。お使いのスキャナーのマニュアルか、メーカーの案内を確かめてください。
- Google ドライブ ヘルプ「PDF や写真のファイルをテキストに変換する」
- Google One ヘルプ「Google のストレージの動作について」
- Microsoft サポート「Word にスキャンしたテキストまたは画像を挿入する」
- Microsoft サポート「PDF を編集する」(Word)
- Microsoft サポート「OneNote で OCR を使用して画像やファイルの印刷からテキストをコピーする」
- Adobe Experience League「紙からPDF」(Acrobat のスキャンと OCR)
- Adobe ヘルプセンター「スキャンした文書内のテキストの認識」(Acrobat)
- Adobe Help Center「Adobe Acrobat Reader FAQs」
- Adobe「PDFをOCR処理」(Acrobat オンラインツール)
- Adobe「【PDFをOCRでテキスト認識】オンラインでWordやExcelに変換も」
- Microsoft Learn「Microsoft Edge の PDF リーダー」