サプリと薬の飲み合わせで気をつけること。公的機関の情報の調べ方
薬を飲んでいる人がサプリメントを足すときは、自分で可否を決めず、医師か薬剤師に相談するのが公的機関の共通した案内です。飲み合わせで起こりうることとして公的機関が挙げている内容と、国立健康・栄養研究所の相互作用データベースやPMDAの患者向医薬品ガイドの調べ方、相談するときに伝えることをまとめました。
病院で出された薬を毎日飲んでいて、そこにビタミンやハーブのサプリメントを足しても大丈夫か気になることがあります。ネットで「飲み合わせ」を調べると、組み合わせの一覧がたくさん見つかります。ただ、自分の薬と自分のサプリに当てはまるのかは、一覧を見ても分かりません。
先に答えを書くと、治療のために薬を飲んでいる人がサプリメントを足すときは、自分で可否を決めずに医師か薬剤師に相談してください。消費者庁や国立健康・栄養研究所、内閣府は、いずれもこの案内をしています。医薬品の安全対策を担う独立行政法人のPMDAも、併用に注意が必要な健康食品について同じように案内しています。この記事は個別の組み合わせの良し悪しを判断しません。相談の前に自分で公的な情報を調べる方法と、相談するときに伝えることをまとめています。
相談の前に成分名と量を書き出しておきたいなら、当サイトのサプリ比較で、掲載している商品の1日あたりの成分量を確かめられます。このページは成分量と価格を比べるもので、薬との飲み合わせは判断しません。
公的機関が挙げている、飲み合わせで起こりうること
内閣府は、食品の安全を評価する委員会がまとめた「健康食品」に関する19のメッセージのひとつで、治療のため医薬品を服用している場合は医師や薬剤師のアドバイスを受けるよう呼びかけています。その説明では、「健康食品」との相互作用で、薬の効果が弱くなる事例を挙げています。逆に効果が強く出すぎて、有害作用の出た事例もあるとしています。複数の医薬品を服用している場合は、相互作用の現れる可能性が増加するとも書かれています。
同じメッセージは、「健康食品」と医薬品を同時に摂っていると、有害な作用が現れたときに原因を特定しにくくなる点も挙げています。ここでいう「健康食品」には、カプセルや錠剤のサプリメントのほか、トクホなどの保健機能食品も含まれます。
消費者庁の冊子「健康食品Q&A」は、薬と健康食品を併せて使うときに起こりうることを2つ挙げています。医薬品と同じ成分を二重に取ることと、医薬品の作用を邪魔する成分を取ることです。冊子は、病気の人は身体の機能が落ちているため、取った成分の有害影響を受けやすくなるとも説明しています。
内閣府は、医薬品成分やそれに似た成分を違法に加えた製品が、「健康食品」のように売られていることにも注意を促しています。表示に書かれていない成分が入っている製品もあるため、成分表だけを見て判断しきれない場合があります。
公的資料に書かれている組み合わせの例
PMDAの「くすりQ&A」は、セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)を含む健康食品について、くすりの種類によっては、その効果を弱めることがあると説明しています。効果が弱められるおそれのある医薬品として挙げられているのは、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムスなど)、強心剤(ジゴキシンなど)、気管支拡張薬(テオフィリンなど)、血液の凝固を防ぐ薬(ワルファリン)、経口避妊薬などです。
同じ回答は、併用中の人がセント・ジョーンズ・ワートを突然やめた場合にも触れています。医薬品の効果が強まり、好ましくない症状のあらわれるおそれもあるとしています。この場合も自己判断で量を減らさず、医師か薬剤師に相談するよう案内されています。
消費者庁の冊子とPMDAのQ&Aは、ワルファリンとビタミンKの例も挙げています。ビタミンやミネラルの例はメガビタミン健康法の記事の「薬を飲んでいる人が注意したい組み合わせ」で取り上げているので、ここでは繰り返しません。どの例も、自分の薬とサプリに当てはまるかを決めるのは医師や薬剤師です。
国立健康・栄養研究所の相互作用データベースで調べる
国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」には、素材情報データベースがあります。有効性、健康被害、相互作用の3つのデータベースで構成されています。このうち相互作用データベースには、健康食品に使われている素材と医薬品を一緒に使った場合の、相互作用や健康被害の事例が載っています。
- 「『健康食品』の安全性・有効性情報」の相互作用データベースを開く
- 「ご利用にあたって」を読み、「同意しました」を押す
- 素材名か、医薬品名(一般名)などのフリーワードを入力して「検索」を押す
- 候補素材の一覧から素材を選び、「表示」を押す
素材名は日本語、英語、学名で検索できます。日本語は主にカタカナで登録されていますが、ひらがなでも検索できます。サイトの説明では、フリーワードに医薬品の一般名を入れるのが検索しやすい方法とされています。飲んでいる薬の一般名が分からないときは、薬剤師に尋ねてください。
結果を読むときは、次の点に気をつけてください。
- 載っているのは素材や成分の情報で、販売されている個々の商品の情報ではありません。
- 掲載内容は科学論文の試験内容や事例を要約したもので、論文全体の評価ではありません。人での症例のほか、動物や試験管内の試験も掲載の対象です。
- サイトは、調査で得られたすべての情報を掲載できているわけではないと断っています。検索で見つからなかったときも、相談を省く理由にはしないでください。
サイトは消費者に向けて、「健康食品」の利用にあたっては医師、薬剤師、アドバイザリースタッフ等に相談するよう呼びかけています。
PMDAの患者向医薬品ガイドと添付文書で調べる
飲んでいる薬の側から調べるなら、PMDAのサイトが使えます。PMDAの説明によると、処方された薬の詳しい情報は、各医薬品の添付文書に書かれています。添付文書はインターネットでも見られますが、医師や薬剤師などの専門家に向けて作られたものです。読んで分からないところや心配な点があれば、医師や薬剤師に相談してください。
重い副作用が出る可能性のある薬には、添付文書から特に知っておいてほしい事項を分かりやすく書いた「患者向医薬品ガイド」があります。PMDAの「医療用医薬品 情報検索」か、「患者向医薬品ガイド一覧」から探せます。PMDAによると、セント・ジョーンズ・ワートのように併用に注意が必要な食品は、患者向医薬品ガイドのうち「この薬の服用中に気をつけなければならないこと」を扱う項に書かれています。
市販の薬(一般用医薬品と要指導医薬品)の添付文書も、PMDAの情報検索で探せます。PMDAは、いつも使っている薬や健康食品がある人に、市販の薬を選ぶときはそのことを薬剤師へ伝えるよう案内しています。
厚生労働省と消費者庁と内閣府のページ
厚生労働省の「いわゆる『健康食品』のホームページ」は、病気などで身体に不安を抱えている人に、事前に摂取の可否などを医療機関に相談するよう案内しています。同じページから、医薬品成分を含む違法な製品の情報や、国立健康・栄養研究所のサイト、アドバイザリースタッフの案内へ進めます。
消費者庁の「健康食品(一般の方向け)」では、冊子「健康食品Q&A」と、健康食品の摂取量と体調を書き込む「健康食品手帳」の例を、PDFで公開しています。内閣府のページ「『健康食品』に関する情報」には、19のメッセージの全文とQ&Aがあります。
医師や薬剤師に相談するとき
相談先は、まず処方した医師や、薬を受け取っている薬局の薬剤師です。PMDAも、自分の薬について心配なことがある場合は、かかりつけの医師や薬局、薬剤師に相談するよう書いています。
PMDAのくすり相談窓口
PMDAは、処方された薬と市販の薬についての相談を電話で受け付けています。薬の効能効果や飲みあわせ、飲み方や使い方などの相談に、専任の相談員が答えます。
- 電話番号は03-3506-9425です。
- 受付は月曜日から金曜日(祝日と年末年始を除く)の午前9時から午後5時です。
- 名前や電話番号は聞かれませんが、業務統計のために都道府県名や年齢層を聞かれることがあります。
PMDAのほかにも、都道府県の薬剤師会や都道府県によるくすり相談窓口があり、PMDAのページから地域ごとに確かめられます。
健康食品のアドバイザリースタッフ
国立健康・栄養研究所は、健康食品について相談できる相手として、アドバイザリースタッフを紹介しています。健康食品やサプリメントの知識を持つ民間資格の専門家で、薬局や薬店、病院、販売メーカーの問い合わせ窓口などで相談を受けています。ただし、すべての薬局や病院にいるわけではありません。
伝えること
国立健康・栄養研究所は、相談するときに持病や、ほかに飲んでいる健康食品や薬を伝えるよう書いています。次のものを用意しておくと伝えやすくなります。
- 飲んでいる、または飲みたいサプリメントの製品名とメーカー名(パッケージか、製品名が読める写真)
- お薬手帳(薬を飲んでいる場合)
- いつ、どの製品を、どれだけ摂ったかと、そのときの体調の記録
製品名を正確に伝えるのは、似た名前の製品があり、それぞれに複数の原材料が入っているためです。記録の4項目は、内閣府がメッセージで勧めているものです。消費者庁の「健康食品手帳」の例も、製品名と摂取量と体調を書き込む形になっています。複数の医療機関や薬局から薬をもらっている場合は、市販の薬も含めて、使っている薬をすべて伝えてください。
体調が変わったとき
国立健康・栄養研究所は、健康食品を使って体の不調を感じたら、すぐに使用を中止するよう案内しています。そのうえで使用記録を持って薬局の薬剤師に相談し、不調が良くならないときは医療機関を受診してください。受診のあとは、近くの保健所と販売元にも連絡するよう書かれています。
ただし、やめてよいのはサプリメントのほうです。PMDAと内閣府は、医薬品の服用を自己判断で止めないよう呼びかけています。セント・ジョーンズ・ワートのように、急にやめると薬の作用に影響するおそれのある素材もあると公的資料に書かれています。迷ったら先に医師か薬剤師に連絡してください。
この記事は、公的機関が公開している情報の調べ方と相談先を紹介するものです。個別のサプリメントと薬の組み合わせについて、安全かどうかを判断するものではありません。
薬を飲んでいる方、持病のある方、妊娠中や授乳中の方は、サプリメントを使う前に医師か薬剤師に相談してください。
- 内閣府 食品安全委員会「「健康食品」に関する情報」
- 内閣府 食品安全委員会「「健康食品」に関するメッセージ」(PDF)
- 内閣府 食品安全委員会「「健康食品」に関する情報(Q&A)」(PDF)
- 消費者庁「健康食品(一般の方向け)」
- 消費者庁「健康食品Q&A」(PDF)
- 消費者庁「健康食品手帳」の例(PDF)
- 厚生労働省「いわゆる「健康食品」のホームページ」
- 国立健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報」素材情報データベース
- 国立健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報」相互作用データベース
- 国立健康・栄養研究所「健康食品はお薬の代わりにはなりません」
- 国立健康・栄養研究所「健康食品に関する「アドバイザリースタッフ」に相談してみましょう」
- 国立健康・栄養研究所「健康食品を使用してからだの調子が悪くなったら」
- PMDA「くすり相談窓口」
- PMDA「くすりQ&A」食品とくすり Q1(セント・ジョーンズ・ワート)
- PMDA「くすりQ&A」食品とくすり Q3(ワルファリンと納豆、クロレラ、青汁)
- PMDA「くすりQ&A」Q5(処方されたくすりの詳しい情報)
- PMDA「くすりQ&A」Q6(市販のくすりを使用する場合の注意)
- PMDA「くすりQ&A」Q9(処方されたくすりを使用する場合の注意)
- PMDA「患者向医薬品ガイドの閲覧」