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栄養・サプリ

栄養機能食品と機能性表示食品とトクホの違い

栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)は、どれも国の制度にもとづく「保健機能食品」です。違いは、国が商品ごとに許可するか、事業者が届け出るか、基準に合わせて事業者が自ら表示するかにあります。表示できる内容、パッケージの目印、届出や許可の内容の調べ方を、消費者庁の説明に沿って表にまとめました。

文:古川 竜二 更新 2026年10月 読了 8分

3つの違いは、国がどこまで関わるかです。トクホ(特定保健用食品)は、国が商品ごとに審査して許可した食品です。機能性表示食品は、事業者が自らの責任で科学的根拠をそろえ、販売前に消費者庁長官へ届け出た食品で、国は審査しません。栄養機能食品は、国が決めた栄養成分の量の基準を満たせば、個別の許可申請をせずに、国が定めた文言で栄養成分の機能を表示できる食品です。

消費者庁は、この3つをまとめて「保健機能食品」と呼んでいます。これ以外の食品には、食品の機能を表示できません。この記事の内容は、2026年10月8日に消費者庁のページと資料で確かめたものです。制度は見直されることがあるので、商品を選ぶときは消費者庁の最新の説明もあわせて確かめてください。

制度の区分とは別に成分量を見比べたいときは、当サイトのサプリ比較も参照できます。ただし、成分量と価格を並べるページなので、商品がどの制度の食品かを見分けたり、表示の内容を確かめたりする用途には使えません。

3つの制度を表で比べる

消費者庁の各制度のページと資料に書かれている内容を、項目ごとに並べました。

項目 トクホ 機能性表示食品 栄養機能食品
国の関わり 商品ごとに国の審査を受け、消費者庁長官の許可を得る(個別許可制) 販売前に消費者庁長官へ届け出る(届出制)。国は審査しない 個別の許可申請は要らない(自己認証制)
表示する内容 消費者庁長官が許可した保健の用途 事業者の責任で、科学的根拠にもとづく機能性(疾病リスクの低減にかかわるものを除く) 国が定めた定型文による栄養成分の機能
対象の成分 関与成分 機能性に関与する成分として届け出た成分 国が定めた20種類の栄養成分
パッケージの目印 許可マークと区分名の表示 枠で囲んだ区分名と届出番号 区分名と栄養成分名の表示
内容の調べ方 消費者庁の許可品目一覧、HFNetの商品情報 消費者庁の届出情報検索 パッケージの表示を読む

どの制度の食品にも、1日当たりの摂取目安量と、摂取をする上での注意事項が表示されています。消費者庁は、保健機能食品は医薬品とは異なり、病気の治療や予防のために摂るものではないと説明しています。目安量より多く摂っても、より高い効果が得られるわけではありません。

トクホは国が商品ごとに許可します

トクホは、体の生理学的機能などに影響を与える成分(関与成分)を含み、特定の保健の目的が期待できる旨を表示する食品です。販売するには、食品ごとに有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません。根拠になる法律は健康増進法です。

消費者庁の資料では、トクホには、疾病リスク低減表示、規格基準型、再許可等の区分があります。疾病リスク低減表示は、関与成分が病気のリスクを下げることが医学的、栄養学的に確立されている場合に認められる表示です。消費者庁の資料で、根拠が確立されているとして挙げられている関与成分は、カルシウムと葉酸です。

条件付きのトクホもあります。トクホの審査で求める科学的根拠の水準には届かないものの、一定の有効性が確認された食品です。根拠が限定的であることを表示する条件付きで許可されます。

トクホと条件付きのトクホには、許可マークが付いています。消費者庁のパンフレットに載っているマークには、「消費者庁許可」の文字が入っています。

機能性の表示は事業者が販売前に届け出ます

機能性表示食品は、事業者が安全性と機能性の科学的根拠などを販売前に消費者庁長官へ届け出れば、機能性を表示できる制度の食品です。トクホと違い、国は審査しません。表示が適正かどうかは、事業者が自らの責任で、科学的根拠をもとに判断する仕組みです。表示できるのは健康の維持や増進に役立つ特定の保健の目的で、疾病リスクの低減にかかわるものは除かれます。

消費者庁のパンフレットによると、この制度が始まったのは平成27年(2015年)4月です。それまでは、国の個別許可を受けたトクホと、国の規格基準を満たす栄養機能食品だけが、機能を表示できる食品でした。

パッケージには、次の文言が表示されます。

本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。

制度の見直しで加わったこと

この制度は、ここ数年で何度か見直されています。消費者庁のページと資料で確かめられた主な点は次のとおりです。

  • 令和6年8月23日付けで食品表示基準が改正されました。消費者庁は、紅麹関連製品の事案を受けて、制度の信頼性を高めるための改正だと説明しています。
  • 事業者には、健康被害の情報を集める体制を整えることが義務になっています。
  • 事業者は、届出内容などを年に1回自ら点検して評価し、その結果を消費者庁長官に報告します。これは、この制度の食品であるための要件です。
  • 令和7年4月1日から、根拠になる文献調査(システマティックレビュー)は、国際指針の「PRISMA声明2020」に沿って作ることになりました。
  • 令和7年10月から、「砂糖不使用」や「食塩無添加」のような表示もできるようになりました。それまでは禁止されていました。

栄養機能食品は国の基準に合えば表示できます

栄養機能食品は、特定の栄養成分を補うために利用される食品で、栄養成分の機能を表示します。個別の許可申請は要らない自己認証制度です。表示するには、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分の量が、国が定めた上限値と下限値の範囲に入っている必要があります。表示できる機能の文言と、摂取をする上での注意事項も、成分ごとに国が決めています。

機能を表示できる栄養成分は、消費者庁のページでは次の20種類です。

  • 脂肪酸(1種類): n-3系脂肪酸
  • ミネラル(6種類): 亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム
  • ビタミン(13種類): ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

パッケージには「栄養機能食品(カルシウム)」のように、機能を表示する栄養成分の名前が添えられます。消費者庁のリーフレットの表示例には、次の文言もあります。

本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。

同じリーフレットには、成分ごとの上限値と下限値などの表が載っており、令和8年10月に改定されたと書かれています。

パッケージで見分けるところ

消費者庁によると、保健機能食品の容器包装には、次のどれかが必ず表示されています。

  • 栄養機能食品(栄養成分名)
  • 特定保健用食品
  • 機能性表示食品

この表示が無ければ、保健機能食品ではありません。

機能性表示食品では、パッケージの主要面の上部に、区分名を枠で囲んだ表示があります。その近くに、アルファベットと数字からなる届出番号が書かれています。機能性の内容は「届出表示」または「機能性表示」の欄に書かれていて、パッケージの裏面にあることも多いです。

消費者庁の資料では、「栄養補助食品」「健康補助食品」「栄養調整食品」といった表示で売られている食品は、一般の食品です。保健機能食品の3つとは別のものです。

届出や許可の内容を調べる方法

届出をした食品は、消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索で、すべての届出情報を確かめられます。手順は次のとおりです。

  1. パッケージで届出番号を確かめる
  2. 届出情報検索を開き、届出番号か商品名を入力して検索する
  3. 検索結果の一覧で届出番号を押し、詳しい情報を開く

詳しい情報のページでは、安全性と機能性の根拠や、その商品が想定する対象者、摂取をする上での注意事項を読めます。消費者庁は、消費者には「様式I」と呼ばれる一般消費者向けの基本情報を確かめるよう案内しています。スマートフォンからも使えます。

トクホは、消費者庁の特定保健用食品についてのページに、許可品目の一覧がExcelファイルで載っています。2026年10月8日の時点では、令和8年9月1日更新の一覧でした。医薬基盤・健康・栄養研究所のHFNetでは、販売中のトクホの商品ごとに、関与成分の説明や利用上の注意事項を読めます。

栄養機能食品は、個別の許可申請が要らない自己認証制度です。消費者庁の栄養機能食品のページには、商品を検索する仕組みの案内はありませんでした。表示されている栄養成分の名前と量、注意事項は、パッケージで確かめてください。成分量の単位の読み方は、サプリの成分表示の読み方にまとめています。

利用するときに消費者庁が呼びかけていること

消費者庁は、保健機能食品を使う前提として、主食、主菜、副菜を基本にした食事のバランスを挙げています。保健機能食品のパッケージには、次の文言が必ず表示されています。

食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

機能性表示食品について、消費者庁は次の点を確かめるよう呼びかけています。

  • 薬を飲んでいる場合は、摂取をする上での注意事項を必ず読み、該当するときは医師か薬剤師に相談する
  • 自分がその商品の想定する対象者に当たるかを確かめる
  • パッケージを捨てずに取っておく

体調に異変を感じたときは、すぐに摂取をやめて医師に相談してください。パッケージには事業者の電話番号が書かれています。消費者庁は、受診したあとにその番号へ連絡するよう案内しています。また、届け出た内容を超える広告をうのみにしないよう呼びかけています。

出典・参考
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